三田 コートドール
大切な記念日を祝うためにコートドールを選んだ
ここは斉須シェフの本を読んで以来、ずっと訪問したいと思っていたため、念願かなっての訪問である
三田にあるマンションのピロティにひっそりと居を構えた店はシェフの個性そのもの
訪問した際には前庭でハーブなどを摘まれており、きっとデザートなどに使っていたのではないだろうか
さて本題ですが、なにせ記念日なので今日のオーダーには値段を気にしたような弱気は一切無い
とにかく食べたいものをすべて頼んだ。ギャルソンの「御二人であれば4皿が適当かと、、、」という声など耳に入らない
さらにワインも飲もうという事で、下記の2種類をオーダー
・Bourgogne Hautes-Cotes de Nuits Meo-Camuzet 2005
・Chateau Monbousquet 1998
白はさっぱりと新鮮な味わいで、一連の前菜を引き立ててくれたと感じる。ただしフォアグラのテリーヌには若干甘さが足りなかったかもしれない
赤は豊かな熟成感があり、後半戦に入って疲れた舌と胃を素晴らしくサポートしてくれた
それでは料理の紹介です
前菜はすべてハーフポーションにわけて出していただくように御願いし、メイン・デザートはフルポーションでいただいた
1品目:赤ピーマンのムース
ピーマンの外側の部分だけの香りが漂い、裏側の白い部分のえぐみは一切気にならない。その繊細さには驚く。下ではトマトのソースが酸味を加えており、甘みの強いムースの味にまとまりを与えているように感じる。さすがスペシャリテ
ただし1皿としてメニューに載るには役不足にも感じるため、アミューズ的に出される現状の扱いは、ふさわしいと感じる
2品目:季節の野菜の蒸し煮 コリアンダーの香りをつけて
野菜をこれほどまで豊かな味わいを持ってたべさせてくれる皿は本当に貴重だと感じる。野菜のみの皿であるが、前菜の一品として確実に一番の存在感を持っていた皿であった
それぞれの野菜には異なった下ごしらえがしてあるのか、それぞれの野菜の持ち味が存分に発揮されている。そしてそれらの味とぶつからないコリアンダーの特徴的な香りが、別の方向に味覚を引っ張り、さらにそれぞれの野菜の持ち味を際立たせていた
3品目:アナゴのテリーヌ 自家製ピクルス添え
蒸した穴子をホタテでつないだ一品。もう少し香り高い穴子もあったのではないかと感じるが、必要な香りは十分に発していたと思う。それにしても生クリームの味に埋もれずホタテの香りもしっかりと主張しているが、穴子の香りを越えるほどではない、というバランスが素晴らしい
全体的に甘さの目立つ1品であるために添えられた自家製のピクルスが嬉しい
4品目:フレッシュフォアグラのテリーヌ
こちらは、まさにフレッシュフォアグラそのものであったといっても過言ではない。しかしながらソテーにはない、しっとりとした味わいと口の中で融け始める脂肪分がたまらない。ただし、上に振りかけられた白胡椒の上品な香りが脂臭さをおさえている
オマール海老のピンチヒッターとして差し替えられたメニューではあったが、相当に良いフォアグラを使っているようだ
5品目:梅干、シソの冷製スープ
こちらの料理に関しては評価が分かれるだろう。はっきり言って私にもおいしいかどうか、よくわからなかった。しかしながら相当丁寧なプロセスを経て作られているものであろうことは、ひしひしと伝わってくる。
それに加えて、すでに前菜4品をいただいた胃袋を独特の酸味を持ってグラニテ的にクールダウンする良い役回りを果たしてくれた事についてはお礼を言いたい。君がいなければホロホロ鶏はぼくの胃袋には収まっていなかっただろう
6品目:ブルゴーニュ産ホロホロ鶏ロースト シナモンソース カブ添え
まずは、あまりの量に言葉を失う。いくらなんでもこれはやり過ぎではないか?ある意味、2名分を意識した量になっている。きっと通常であればハーフポーションとなって、それなりに食べられてしまっていたであろう1皿。食べてみせましょう1人で!! そしてこれがまた食べられてしまう。赤に切り替わったワイン、シナモンの香り、付け合わせのカブ。皆が協力し合って私の胃袋に大量ホロホロ鶏を押し込んでくれた。
火入れはまさに絶妙で、これまでラ・シェット・ブランシュやパトゥであじわってきた繊細な火入れの片鱗を感じさせます。しかしながら、いかんせんタンパクで食べやすい鶏であったがために火入れの技術を体感するにはハトなどの選択肢があったならばと悔まれる
7品目:国産牛のしっぽ煮込み 赤ワインソース
なんともかわいいネーミングの1皿であるが、大量のゼラチンを含んだヘビーな1皿である。ただし、その赤ワインソースは、非の打ち所がないほど滑らかな味わい、甘味/塩味/酸味のバランスが完成している。肉の臭みはなく、柔らかく崩れるうまみが凝縮された牛の筋繊維の筋だけを感じるのである
また、添えられたニンジンが良い。この店は本当に野菜に関する仕事が素晴らしい
8皿目:フロマージュ
残ったワインにあわせてフロマージュもいただいた。なぜかメインを完食して、また食欲がでてきてしまったのである。我ながら信じられない胃袋くん
9品目:富良野グリーンメロン アニス漬け ミントをふって
私はアニスと果物の組み合わせに弱い。甘いものも好きな方だが、やはりメインの食事に胃袋の大半を割きたいので、デザートはさっぱりとしたものを選びがち。(プリフィックスのランチで物足りない場合を除く)
完熟したメロンの香りと強すぎる酸味を消すアニス。ミントのアクセントが絶妙である。この手のデザートはラ・シェット・ブランシュでも毎回選択肢に登場する。桃などでもいける
10品目:栗かぼちゃのプディング
再三の巨大ポーションによる口撃にもめげず最後までしっかりとしたものを選択できる女性の胃袋には脱帽である。かぼちゃのデザートはかなり好きだが、この状況下でカラメルを選択する気にはとてもなれなかった、、、
以上、メインとデザートについては互いに2〜3口をやりとりしただけだが、その他はハーフポーションですべてを残さずいただいた。
どれも白い大きなお皿にシンプルに盛りつけられた料理であるため、分かり易い華やかさはないがその裏に隠された繊細な仕事は素晴らしいし、ミニマリズム的な美しさを感じる。虚飾を排し、味のみで勝負するシェフの姿勢がひしひしと伝わってくる
気取ったところも無いし、ある意味地味でもある店構えは、フレンチの経験が少ない人には物足りなく感じるかもしれない。こちらのお店は雰囲気<料理の人に向いているだろう。こういった店はミシュランでは3つ星にはなれないのかもしれない
ただ、個人的には四半期ごとに訪問したいお店と感じる
今回の御会計も1人3万円ほど、絶対的な価格水準は高いが、他店と比較すると良心的
次の季節も楽しみだ










































