ITベンダー系のカンファレンスでいつも感じること
CNETで渡辺隆広さんが“Google Analytics、しかし分析コストは下がらない”というタイトルの記事を掲載されている。この記事で、彼が言及しているのはツールの優位性云々に関する議論であって、その域を出ていない。本当はもっと先のところまで言及するべきだと感じる。
分析系ツールの使い手には2段階あると考えている。
1段階目:一般的に見るべき定点観測情報を入手するための導入
2段階目:自らの仮説を検証するための導入
2段階目の方が分析者としての能力が必要とされる。それは技術者としてではなく、仮説の設定、検証方法の設定、検証、仮説の再構築というプロセスがまわせる人材である。
彼の主旨はGoogleAnalyticsのような最大公約数的なソフトウェアは1段階目のユーザーには訴求するかもしれないが、2段階目に達しているユーザーにとって必要なツールとしては役不足である。そのためいくら無料であっても、高機能なツールのマーケットには影響を与えないと、、、
この意見は間違っていないのだけれど、何でもできるのが良いことといういつもITベンダー系のカンファレンスで感じる雰囲気が醸し出されている気がしてならない。
というのも、ユーザーのスキルセット云々にかかわらず、2段階目の人々が必要とするツールを社内に導入している企業は山ほどあるのが現状だ。要は、何でもできる、どんな切り口でも設定できるという高機能ぶりをアピールされて、使いこなせないツールを導入してしまっているのである。しかしながら、先ほども書いたとおり、2段階目の人々は仮説を設定したり、その検証方法を発想できる必要がある。そうでなければ、膨大な分析パターンやパラメーターの前に呆然と立ちつくしてしまうだろう。
にもかかわらず、社内での分析人材の育成コストを惜しむ変わりに、高機能ツールという夢を買ってしまうのである。
最近、この手のツールのカンファレンスに出ても、「おいおい一体誰が使いこなすんだよ」としらけた目で見てしまうことが多いのである。