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2005年12月23日

「OPEN INNOVATION―ハーバード流イノベーション戦略のすべて」を読んで

OPEN INNOVATION―ハーバード流イノベーション戦略のすべて」では、クローズドイノベーションの代表例であるXeroxPARCとオープンイノベーションのインテル・ルーセントを対比しながらこれからの企業における研究開発について言及している。

要は企業内の研究であっても、それを製品化できる主体は必ずしも社内にあるわけではないということ。今後は、社内・外に発現するイノベーションの種を自社や他社をうまく利用して育て上げることが重要であると書いている。その秘訣として2点+αで書かれていて
「1.出来るだけ多くの可能性を追求し、できるだけ安いコストで、迅速なフィードバックを求めなければならない
2.最終的なマーケットに近いマーケットを見つけ、できるだけ早期に成功することである。
⇒詳細で、完全で、慎重な計画を立てるのではなく、最初の少数の調査から得られる情報に迅速に反応しなければならない」ということだそうだ。

大学の研究などに資金提供をおこなうのも有力な手段。特にインテルは、大学に積極的に資金提供をおこなったり、規格やコンソーシアムを無償で構築したりして、他社を積極的に活用しているそうだ。インテルの最終目的は“必要とする計算量の増大”である。

「社長失格」を読んで

広告付き無料プロバイダーを世界で初めて実現した「ハイパーネット」が、成長して倒産するまでを時系列で描いた本が「社長失格―ぼくの会社がつぶれた理由」である。

著者であり社長である板倉雄一郎氏のコトバは非常に生々しい。特に都市銀行の担当者が株式会社の経営者に対して、その父親の個人保証を求めるくだり、
「・・・いつものように当社に来たこの銀行の熱心な担当者は、いつまでたっても親のサインを認めないぼくたちにこういったのである。『じゃあ、いまからぼくといっしょにお父様のところへいきましょう。事情はぼくが説明しますから安心してください』 これが都市銀行のいうことだろうか。・・・」

そこで思い出したのが別のソースで読んだ記事。日本のベンチャーが短期的な資金需要を満たすため銀行との取引関係を構築する。その際に個人保証を求められるのだ。実はこの個人保証が社長交代を妨げるものとなってしまう。
 要は、いくらVCが企業家から経営者にバトンタッチをさせようとしても、よっぽどの思い入れかヨミが無ければ個人保証まで引き受けてベンチャーの経営者にはなろうなんて人材はそうは見つからない。だから日本のベンチャーは企業家から経営者への引き継ぎがうまくいかないということらしい。銀行の担保主義がベンチャーの育成を妨げているのである。
 最近放映されていたサンデープロジェクトの特集でも、中小企業向け無担保融資が盛んに謳われているが実際のところ担保を求めているケースもあるという内容が放映されていた。

メインバンクが引けば、どの銀行も引く。返済させるためならば「一旦返してください、すぐに貸し付けます」といった嘘も平気で言う。おまけに親の個人保証まで求める。個人保証という“担保”が無ければ融資が出来ない。
銀行の査定能力って...

2005年12月22日

「投資銀行残酷日記」を読んで

投資銀行に入った若手の苦悶の日々を描いた「ウォールストリート投資銀行残酷日記―サルになれなかった僕たち」を読んだ

身勝手な上司に振り回されて、上っ面のいいコトバで慰められるという日々を描いた内容で、特に示唆はないけれど、忙しさの程度は自分の会社と変わらないのかなぁという気もする。ただし羽振りは良く、実入りもよさそうなことはよく分かる。舞台はDLJという投資銀行。90年代後半の話かな。

発見だったのは、他人なんかお構いなしに皆が自分のKPIを追っている組織で、人材を育成するなんてことは、概念として微塵も存在していないということ。MBAで習ったファイナンスの知識+αで通用しているようだし、本番になれば弁護士などそれぞれの分野の専門家が登場するからその時はコーディネーターを演じる。だから何かの分野のプロフェッショナルになるというよりは、口八丁手八丁で投資家をのせる技術が求められているように感じた。

まあ良くない経験をさせられた社員が書いた暴露本なので、割り引いて暇つぶしにさっと読んでみるとよいかも。

2005年08月26日

「マーケティング実践講座」を読んで

ベイン・アンド・カンパニーのパートナーでいらっしゃる須藤実和さんという方がお書きになった「実況LIVE マーケティング実践講座」を読みました。
ここまで著者を売りにするとは!!と驚くような帯がついていたので、ついつい購入してしまいました。

内容は、マーケティング超初心者向けの内容でした。というのも文章の内容が実務を経験した方にとっては物足りないであろうレベルでした。ですので私もほとんど本文は読んでいません。
ただし、網羅されているフレームワークはヌケモレなくバランスが良いと思います。ですのでこの本を教科書にしてマーケティングの勉強を始める大学生の方や理系卒の方は、本文をひととおり読んだ後に、最初から順にフレームワークのページを、違う事例で埋めてみるといった勉強をすると良いのではないかと思いました。

最後のページに課題が設定されていますが、STEP4の課題などはコンサルタントが提案書や一次分析の資料を作成する際のパターンによく似ていて、参考になると思います。特に「ブランクチャートで欲しいチャートをイメージする」など。

1800円は高いですが、初めてマーケティングを志す方には必要事項を俯瞰できるのでお勧めです。
個人的には、「ゼミナール マーケティング入門」の方がお勧めなのですが、値段は倍くらいしますし、マーケやビジネスが初めてという方からすると好みは分かれるかもしれません。大学の先生であればこちらを教科書にすると思います。

その点、須藤さんの著書は万人受けする取っつきやすさがありますし、キッカケだけにとどまらない内容を含んでいるので、絶妙といえば絶妙なポジショニング。著者の経歴もよく表れた内容だと思います。

2005年08月24日

「検索エンジン戦争」を読んで

検索エンジン戦争を読んだ。

 主にYahooとGoogleの間で展開されてきた攻防を描いおり、これまでの競争のポイントは“収益モデルの構築”と“SEO対策”にあった。それほど目新しい数値やデータが展開されているわけではないけれど、歴史的な経緯を把握するという観点では読む価値がある。
 これからは、検索対象の拡充(図書館のデジタル化etc)と特定ニーズへの対応(商品価格の検索etc)がトレンドと言及していて、著者はそれらによって“トラフィックが増加⇒Adsenseでの儲けが増える”という既存のモデルの為の施策と認識している。もっと目新しいヨミが欲しいところ。

文章の調子が口語に近いので多少読むのに疲れてしまうけれど、集中すれば2時間もかからないと思う。あくまでも情報としての読み物であって、目鱗なフレームや視点を提供してくれる本ではないかもしれない。

それにしても時系列で整理すると、いかに日本のインターネットサービスがアメリカの後ろをついて歩いているかが分かる。文中では“6ヶ月~1年の時差”と言っていた。

2005年07月26日

「価格優位戦略」を読んで

ダイヤモンド社「価格優位戦略」にあったポイントをいくつかメモ

とにかく価格は大事。価格を1%改善することが出来れば、数量やコストを1%改善するよりも大きな収益力の改善が実現できる。だから顧客ごとに市場ごとに正しくプライシングをおこなおうという主旨。

1.まずは自分たちがどのようなプライシングをおこなっているのか把握しよう

 ⇒ 仕入れ伝票価格だけでなく、協賛金・販促奨励金・債権回収コストなど見えない値引きやコストを含めた上で、一体いくらで納品しているのか顧客ごとに把握しよう。この価格にバリエーションがあるほどの顧客側が不均質であるから良いことである。つまり高く買ってくれる顧客からはしっかりと利益を取り、そうでない顧客にもそれなりの値段で買わせようということ。現場担当者に過大な裁量権を与えてはいけない。

2.価格は認知便益とのバランスの上に成り立っている
 ⇒ 顧客やライバル企業は、表面的な価格やスペックによる比較をおこなっているわけではない。サービスを追加しても価格を維持した場合、それは相手にとって値下げに見える。だって認知便益は増加したのに価格は据え置きなのだから。こういう値下げは見透かされていると考えたほうが良い。

3.安易な値下げは皆の為になりません
 ⇒ ポイント2でも述べたようにライバルは自社のことをよく見ている。自分がシェアをとりたいが為に値下げをしたら、ライバルも値下げをして、結局シェアはとれたが市場規模自体が小さくなってしまったということになりかねない。下位メーカーの値下げやコンフリクトしないマーケットでの値下げには過敏に反応してはいけない。若干、カルテルっぽい発想でもあるけれど劇的にコストを削減できるようなイノベーションが起きない限り、値下げには限界がある。価格戦争は避けましょう。

とりあえずこの3つ。
書いてみると意外とありきたりだった。
この他にも“価格改定の発表方法”や“プライシング是正のための組織改革/KPI設定”など参考になりそうな具体的な情報が入っていた。いつか使えそう。

2005年01月17日

P.F.ドラッカー『ネクスト・ソサエティ』を読んでのメモ

・トップマネジメントの仕事は組織の3つの性格(1経済機関2人的機関3社会機関)をバランスさせなければならない。20世紀後半、アメリカでは1、日本では2、ドイツでは3に重点を置いて組織は発展した。

・“すなわち純粋のメーカーではやっていけないということだ。流通力をもつナレッジ・カンパニー(知識を基盤とする社会)にならなければならない。製造の力では、製品を差別化しきれない。”
⇒ 商品だけでなく流通の方法もコントロールしなければ総合的なパッケージング力を発揮しきれないということなのかな

・“反トラスト法はアメリカの法律家の妄想の産物である。感心したものではない。そもそも独占は新規参入者に味方し、新規参入者を支援するだけのものである。しかもあらゆる独占が、放っておいても崩壊する。”
⇒ これは意外。独占による怠慢がイノベーションを途絶えさせるということか?

・“この四〇年間に見られたあらゆる業界における変化を調べるならば、そのほとんどが既存の市場、製品、技術の外の世界で起こったものであることが分かる。”
⇒顧客のLTV拡大も大事だけど。ノンカスタマーの大切さも忘れずに

・“今日の日本は、本質的にヨーロッパの国である。もっと悪いことには、一九世紀のヨーロッパの国である。だからいま、麻痺状態にある。”
⇒ヨーロッパをウォッチする必要有り。ただし日本は自らモデルを作り出すステージにきているのも事実。

・“第二次大戦のさなか、戦争遂行能力を損なうことをおそれて炭坑ストの回避を呼びかけたフランクリン・ローズヴェルト大統領に対し、労働組合指導者ジョン・L・ルイスは何と答えたか。「大統領は国のために働く。私は炭鉱労働者のために働く」だった。”
⇒現在、存在している組織ひとつひとつが利己的に振る舞う多元主義状態の例として

2004年08月03日

きっと皆さんコメントしているよね

エイベックス騒動が、連日報道されています

懸念されていた“浜崎マター”は市場の読みどおりの展開となった模様
今後、どのような形で移籍・芸能活動が進められていくのかに注目が集まるところです
 “浜崎あゆみ”も高齢化しつつあり、そろそろあのスタイルもメジャーからマイナーへと移行しているのでは?という印象を個人的には持っています。
 そもそも、歌手の人気というものは実力とともに、そのバックに付く資本力に相当程度依存しているような気がしています。あのマライア・キャリーですら、所属レコード会社社長(?)との破局によって、あの人気が衰退していったわけですから

では、いま松浦さんが準備しなければならないものは?というと

1.資本
⇒ 浜崎あゆみレベルのプロモーションには相当な運転資金が必要なはず、一体どのようなバックが付くのか?

2.人材
⇒ いくら優れた松浦氏であっても、ツーカーで物事を動かせる人材が相当程度の人数いなければ、あのテンポ・規模のプロモーションを継続できないはず。人材の質・規模を考えると、エイベックスからゴッソリと引き抜くのが最も魅力的な選択肢でしょう。ただ、これまでより人件費がかかってしまうかもしれません。

3.情報
⇒ エイベックスという大きな組織を使って収集・フィルタリングされる情報の量は、かなりのものでしょう。そのため、そのような情報の窓口となってくれる機能もまた、短い期間で構築することは困難を極めるはずです。こちらは、2よりは比較的簡単と推測されるが、芸能事務所機能はニッチであるためそれほど人材が溢れているとは考えられませんね。こちらは千葉氏の頑張りどころでしょうか。

上記の1に関しては、出資者を募るだけですので比較的ハードルは低いとして、問題は2と3です。これらを早期に構築しなければ、現状の“浜崎あゆみ”を演出し続けられないでしょう。

 ただ、エイベックスとしても“浜崎”依存体質は、どうしようもないわけで辞めていくからと言って現状のサポートを契約期間内に打ち切ることは難しく、契約期間内はエイベックス組織による“浜崎”サポートが継続する可能性が高いでしょう。
 それゆえ、浜崎とエイベックス間での契約期間内に松浦氏が上記の3点を用意できるかどうかに“浜崎あゆみ”の存続がかかっていると考えられます。準備すべきものの内訳に占める“人材”の割合が高いので、ここで松浦氏・千葉氏の活動のポイントとなる点は2つでしょうか

1.いかに“浜崎あゆみ”抜きのエイベックスが不安定な存在か、を煽りレミングス現象を引き起こす(事務所人材・タレント双方に対して)

2.できるだけ早く、投資家・獲得予定人材に対して、“浜崎あゆみシステム”の運営構想を描き示す

前述のマライア・キャリーしかり、出産休み後の安室奈美恵しかり、“浜崎あゆみ”の存続はプロモーションのブランクをいかに短くできるかにかかっているでしょう。
さぁ楽しみです。

(ところで、産後の松嶋奈々子ってどうなのかな、、、)

2004年07月31日

ベンチャーって良いなぁ

今日は、ベンチャー企業のプレゼンテーションに付き合いました
夢は語るし、大風呂敷も広げちゃうけれど、
カラー印刷の資料は役員向けの一部のみで後は白黒刷りだったりと、あの努力してる雰囲気いいなぁ
大企業にいると、あぁ堅実ではいられないものですよね

今は、ベンチャーなんて起こす勇気も無いけれど
やっぱりいいなあの雰囲気